森見登美彦を読もう-オススメBEST5
今回は、大学生に絶大な人気を誇っております「森見登美彦」さんのオススメ作品BEST5を紹介しようと思います。
私は基本的に京都が舞台の小説が大好物でございまして、森見さんの作品は京都大学の学生がメインなものが多く、京都のあらゆる名所(ほぼ京大周辺)を抑えておりますので私のど真ん中ストライクです。
京都を訪れる際、森見作品の聖地巡礼はかかせません。
この方を参考にされてはいかがでしょうか。
高校生の方には、森見作品を読み京都の大学を目指していただきたい。
大学生の方には、京都大学への編入や大学院へのロンダを是非!!
それでは、作品紹介をば
5. 新釈 走れメロス 他四篇
走れメロスは、中島敦の『山月記』、芥川龍之介の『藪の中』、太宰治の『走れメロス』、坂口安吾の『桜の森の満開の下』、森鴎外の『百物語』で構成されています。
芽野史郎は激怒した―大学内の暴君に反抗し、世にも破廉恥な桃色ブリーフの刑に瀕した芽野は、全力で京都を疾走していた。そう、人質となってくれた無二の親友を見捨てるために!(「走れメロス」)。最強の矜持を持った、孤高の自称天才が歩む前代未聞の運命とは?(「山月記」)。近代文学の傑作五篇が、森見登美彦によって現代京都に華麗なる転生をとげる!こじらせすぎた青年達の、阿呆らしくも気高い生き様をとくと見よ!
走れメロスは、THE森見登美彦作品というべき終始ドタバタ、バカバカしいテンションでまさに阿呆な作品です。
他の4篇は、シリアス風味に仕上げてまして、私はこっちのダークな雰囲気も大好きです。
アパートにこもり、ひたすら小説を書き続ける大学生斎藤秀太郎の話。
藪の中
文化祭の映画制作にまつわる話。
5編の中で最もユーモラスな作風である。特に冒頭と終盤は、原典をかなりの部分でパロディーしながらも京大生に落とし込んでいる。
恋人の女性を書くことで人気小説家となった男が、小説への情熱と彼女への愛情を失うに至る話。
百物語
5編の中の登場人物がほとんど出てくる話。主人公は森見登美彦自身という設定。作者と主人公が同じという構成は原典と同じである。
他の方の感想も、
逃げよ。―森見登美彦『新釈走れメロス』【読書感想文】あらすじ付
4. 恋文の技術 (ポプラ文庫)
京都の大学院から、遠く離れた実験所に飛ばされた男が一人。無聊を慰めるべく、文通修業と称して京都に住むかつての仲間たちに手紙を書きまくる。文中で友人の恋の相談に乗り、妹に説教を垂れるが、本当に想いを届けたい相手への手紙は、いつまでも書けずにいるのだった。
あらすじ
第一話:外堀を埋める友へ
小松崎からの恋愛相談に手紙でこたえる守田一郎だが、小松崎は狙い澄ましたように誤手ばかり打つ。そしてついに迎えた恋の結末に、守田一郎は激怒する。
第二話:私史上最高厄介なお姉様へ
第三話:見どころのある少年へ
第四話:偏屈作家・森見登美彦先生へ
第五話:女性のおっぱいに目のない友へ
第六話:続・私史上最高厄介なお姉様へ
第七話:恋文反面教師・森見登美彦先生へ
第八話:我が心やさしき妹へ
第九話:伊吹夏子さんへ 失敗書簡集
第十一話:大文字山への招待状
第十二話:伊吹夏子さんへの手紙
能登へ旅立ってから今日までの全てを、守田一郎はあらためて書き記す。その中で、ついに守田一郎は「恋文の技術」についてのある結論に達する。
世の中にはいい大人もいれば、悪い大人もいます。いい大人だけどヘンタイの人もいれば、悪い人でヘンタイの人もいます。用心してください。
登場人物が個性的で、実にユニークな作品です。
一番好きなキャラは、
小松崎友也
守田一郎の友人。周囲の人間から「マシマロマン」「阿呆のパイオニア」と評されている。守田一郎の文通相手第一号だが、何を思ったか自らの恋愛相談を持ちかける。おっぱい星人である。
こんなん反則ですわ
さらに、この作品、まさかまさかの
「森見登美彦」というキャラクターが出てきます。
しかも、
読書家ということだが、読んでいるのが森見登美彦ばかりというのは、いささか偏っているのではないか。
などとのたまっておるのです。
すばらしい自虐精神に敬服いたします。
この作品は読みやすいので初めての森見登美彦におすすめです。
3. 四畳半神話大系
森見作品と言えばとアンケートを取れば1位にはいってくるのではないでしょうか。
なんせこいつは、アニメ化もされておりますので
個人的には小説も好きですが、アニメの方がもっと好きですね。
なにより、
明石さんに惚れてしまいました。
二次元キャラクターの中で彼女を超える逸材は存在しないのではないでしょうか。
私の理想系ですね。
明石さん声 - 坂本真綾
「私」と小津の、1年下の後輩。工学部建築科に所属。理知的でクールな黒髪の乙女であり、歯に衣着せぬ物言いで周囲を寄せ付けない。蛾だけが唯一の弱点で、蛾を前にすると「ぎょええええ」と漫画のような悲鳴を上げて取り乱す。「もちぐま」が好き。彼女が1回生の夏に下鴨神社の古本市で2回生の「私」と出会っている。アニメ版ではワンピースに十分丈のレギンスという格好。名前の由来は本人の友人である「法学部の明石」から採用されている。小説版では映画サークル「みそぎ」に入り、小津の下で働いていた縁で、1回生の秋に樋口に弟子入りする(「みそぎ」は途中で退部)。その後「私」と「成就した恋愛」関係となることが各話で示唆される。アニメ版では話によって所属するサークルが違う。「バードマンサークル」の場合と「樋口の弟子」の場合がある。「バードマン」の場合、1回生の時に自転車サークルソレイユに所属し、その年、蹴上で行われたロードレースで男女総合優勝を果たし、すぐにソレイユを辞めバードマンに入る。ロードレースの賞金を全てつぎこんで飛行機作りをはじめる。彼女が2回生の夏に映画サークル「みそぎ」に3DCGとビジュアルエフェクトの助っ人として参加し、その時、相島に好意を寄せられるようになる。なお「私」と「成就した恋愛」関係となるのは最終話のみ。
私は冴えない大学3回生。バラ色のキャンパスライフを想像していたのに、現実はほど遠い。悪友の小津には振り回され、謎の自由人・樋口師匠には無理な要求をされ、孤高の乙女・明石さんとは、なかなかお近づきになれない。いっそのこと、ぴかぴかの1回生に戻って大学生活をやり直したい!さ迷い込んだ4つの並行世界で繰り広げられる、滅法おかしくて、ちょっぴりほろ苦い青春ストーリー。
この作品、多彩なキャラクターに、独特な世界観、ユニークな言い回しが多く名言(迷言?)の宝庫でございます。
四畳半神話大系名言・迷言bot (@Yojouhan_bot) | Twitter
なるものも存在しております。
樋口師匠は名言量産機です。
今ここにある己を引きずって、生涯をまっとうせねばならぬ。その事実に目をつぶってはならぬ。
可能性という言葉を無限定に使ってはいけない。我々という存在を規定するのは、我々がもつ可能性ではなく、我々がもつ不可能性である
今ここにある君以外、ほかの何者にもなれない自分を認めなくてはいけない。
バラ色のキャンパスライフなど存在しないのだ。
なぜなら世の中はバラ色ではない。
実に雑多な色をしているからねぇ。
私のセリフ
不毛と思われた日常はなんと豊穣な世界だったのか。 ありもしないものばかり夢見て自分の足元さえ見てなかったのだ。 これは私が選んだ人生。私が望んだ結果である。
自分の人生しっかり生きようと思いました。
大学3回生に是非読んでいただきたい作品です。
読む人によって、感じ方が異なるでしょうから、ぜひ大学生活を堪能した友人にも勧めて感想を言い合ってください。
2. 夜は短し歩けよ乙女
- 作者: 森見登美彦
- 出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング
- 発売日: 2008/12/25
- メディア: 文庫
- 購入: 84人 クリック: 1,493回
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あらすじ
後輩である少女に恋をしている「私」は、彼女という城の外堀を埋めるべく日々彼女を追い掛け、なるべくその目に留まろうとしている。しかしその彼女はなかなか「私」の想いに気づいてくれない。2人は奇妙な人物に出会い、奇抜な事件に巻き込まれてしまう。恋愛ファンタジー。
この作品の語り手である先輩が、黒髪の乙女が行く先々に潜伏し、偶然を装い「たまたま通りがかったものだから」と黒髪の乙女と恋仲になるために必死こく恋愛小説です。
四畳半神話大系や有頂天家族の登場人物も出てきます。
めっちゃくちゃ面白いです。
特筆すべきは、黒髪の乙女がかわいすぎるのです。
鯉のぼりを背中に背負って歩いたり、
かぼちゃが可愛くて膝の上で撫で愛でたり、
「私は太平洋の海水がラムであればよいのにと思うぐらいラムを愛しています。」
「私はむんと胸を張ります。「そこにお酒のあるかぎり」」
なんてセリフを言ったり、
お友達パンチや「なむなむ!」
など実に可愛らしい。
「あ!先輩、奇遇ですねぇ!」
彼女は天真爛漫な笑みをもって応え続けた。
ああ、こんなセリフ言われたいんじゃあ~
さらに、この作品に出てくる偽電気ブランというカクテルをめっちゃ飲みたくなります。
偽電気ブランはあるんですね、驚きです。
こちらは、浅草は神谷バー発祥です。
黒髪の乙女も
「花の香りで飲んだ後更にお腹の中がポッと温かく花畑になるような」
と素敵な言い回しを。
実際に飲んだことがありますが、美味しいです。
大人の飲み物ですね。
名言も満載です。
「忙しいって言う人間ほど閑なものだ。閑であることに罪悪感を抱くから、やたら忙しいと吹聴したがるんだね」
彼女の友は私の敵、彼女の敵は私の敵、昨日の友は今日の敵。
彼女がすべてに優先するのだ
私は性欲に流される、私は世の風潮に抗えない、私は一人の寂しさに耐えられない
若人よ、自分にとっての幸せとは何か、それを問うことこそが前向きな悩み方だ。そしてそれをつねに問い続けるのさえ忘れなければ、人生は有意義なものになる
活字はきつい、黒髪の乙女の可愛さを絵でもっとみたい。
という方には、コミックがございますので。
1. きつねのはなし
「知り合いから妙なケモノをもらってね」籠の中で何かが身じろぎする気配がした。古道具店の主から風呂敷包みを託された青年が訪れた、奇妙な屋敷。彼はそこで魔に魅入られたのか(表題作)。通夜の後、男たちの酒宴が始まった。やがて先代より預かったという“家宝"を持った女が現れて(「水神」)。闇に蟠るもの、おまえの名は? 底知れぬ謎を秘めた古都を舞台に描く、漆黒の作品集。
いままであげた作品の異なり一貫してダークな空気で話が進みます。
「太陽の塔」や「四畳半神話大系」および「夜は短し歩けよ乙女」で見られるような独特の言い回しは使われていません。
なので、阿呆な作品を期待して読まないでください。
森見登美彦の作品であり、四畳半や夜乙女みたいな感じを期待してがっかりしたなんて人も多くいます。
なので、これはこれ と割り切っていただくと、かなり読みごたえのある最高の作品です。
きつねのはなし
一乗寺にある小道具店芳蓮堂でアルバイトをしている私は、店主のナツメさんに頼まれて鷺森神社近辺に住む天城さんの元へ風呂敷包みを届けるよう頼まれた。そこから私は奇妙な事件に巻き込まれていくことになる。
果実の中の龍
一回生のころ、私は一乗寺の先輩の下宿へ頻繁に通っていた。先輩は博識かつ経験豊富で話題に欠くことがなく私を楽しませた。ある日私は先輩の彼女である瑞穂さんから先輩の話が嘘であったことを聞かされる。
魔
私はアルバイトとして、高校生の西田修二の家庭教師をすることになった。やがて兄の直也、幼馴染の夏尾美佳、秋月とも面識を持つことになる。宵山の近づいた7月、西田家の親父さんから夜毎に人を襲う通り魔の話を聞かされる。それは私が目撃したケモノの仕業によるものであった。
水神
祖父の通夜の夜、酒宴の席に祖父の馴染みの小道具店であった芳蓮堂から、祖父が預けた樋口家の家宝が届くという。しかし芳蓮堂の女店主が持ってきたそれは、一壜の水であった。
どれも一級品の話ですが、私が一番オススメするのは、「魔」です。
最後、読んでて鳥肌がぶわっと立ったのはたぶんこれまでに「魔」だけの気がします。
所々各話でリンクしている部分があるので、読んでいる途中に「ああ~なるほど。ああ~。ああああああ」
ってなるでしょう。
森見登美彦を語る上でこの作品を読んでいないのはありえないでしょう。
この雰囲気にはまったら、宵山万華鏡も御一読ください。
私は、勝手にこれらを宵山系と分類しています。
是非!!!!
レジェンド 太陽の塔
読めばわかる。
かしこ。